北か、南か |
先日友人と酒を呑んでいたときに、イザとなったら北と南のどちらを取るのがベストだろうか?と問われた。無論朝鮮半島のことである。両方いらない、と即答したのだが、いや、どちらかというなら?と食い下がるので、少し考え、どちらかを選ばねばならないと言うなら南、と答えた。
まあ南は間借りなりにも民主主義だから、と付け加えると彼は、北のほうが良くないだろうか?と訊いてくる。彼の意図する意味が解らず、少し考え込んだ。なるほど、貧乏で飢えてるし、独裁で命令されることに慣れてるから、扱い易いという意味ではかえって扱い易いのかも知れない、と応えると、彼は深く頷いていた。
右側でも理想論とは別に現実的方策としていろいろな考え方があるのは知っている。だが、北朝鮮と組むことを想定している人たちがいるとはおどろいた。視点を変えて先の先の、そのまた先までを想定していけば、そういった考え方があるのも解らぬでもない。北はアタマを抑えておきさえすればどうにでもなるということなのかも知れない。
だが同胞を拉致され、核爆弾を落とすと恫喝している国と、一体何をどう組むのだろう。南はまた半端に自由なものだから勝手な難癖ばかり付け続けてくる。友人とはそこまでの話にならなかったが、いずれにせよ半島とはもう付き合わないほうが良いに決まっている。真面目に思考していればもう懲り懲りなのである。
選挙戦も終わりに近づいた。幾つかの政党が「日本を守る」とはくり返しているが、北や南やシナに対する具体的方策を示している政党は一つも見当たらない。声だけは力強いものの、中身は当たり障りのない言葉の羅列である。過激なことを言えというのではない。命を賭けてものを考え、命を賭けて言葉を択べと言っている。無理かも知れぬが。
だが、そこらへんの政治家など触れることすら出来ぬ国家の、本当にディープな部分でものを考えている人たちがいることを、私は信じたい。